徒 然  

       日々の思いなどを綴っています          

風の少年

真夏の太陽が降りそそぐ暑い日、彼はふと私の目の前に現れた
私は麦わら帽子を被り花柄のワンピースを着ていた。
蝉の鳴き声が響いていた


神社で二人はよく色んな話をしていた
日焼けした肌に笑うと白い歯が爽やかに見えた
私を見つめる眼差しは、少年のようだった


あなたは私のつまらない話を辛抱強く聞いてくれたね
夏祭りは浴衣を着てあなたは手をつないでくれた
金魚すくい、綿あめ、露店が並んでいた中を二人は歩いた


このまま時が止まればいいのにと思いながら・・・
そしてあなたは時より真剣な目で私を見つめ
抱き寄せようとした


私はその度にあなたの腕から逃げようとしていた
好きなのに、どうしても素直になれなかった
あなたは風の少年、いつか遠くへ行きそうで
怖かった。


どこへも行かないで、ずっと一緒にいてほしい
離れないでいてほしいと思っていた