駆けぬけてゆく青春
あの人は今でも覚えてくれているだろうか、目を閉じれば
瞼に鮮明に浮かんでくる。
教室で二人は同じ月日を過ごした。
内気な私、明るく何時もクラスの皆に囲まれていたあなた。
そんなあなたが私に話しかけてくれたのは、ちょうど今頃の
秋だった。
あなたは陸上部に入っていてよくグランドや校庭を走っていたね。私は友達として何時も接していた。
放課後誰もいない教室であなたはフォークギターを弾きながら、
歌を聞かせてくれた。
秋の文化祭でもステージで聞かせてくれたね。
秋の夕暮れ時、二人は勉強のこと、大学に一緒に行こうといろ
いろな話をした。
何時の頃だろう、あなたに恋をしていることに気づいたのは、
意識するようになったのは・・・
夕暮れの空が茜色に染まり二人を包んでいた。
あなたに好きと伝えられないまま、青春が駆けぬけていった。
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